犬回虫症に注意!症状や予防法など知っておくべき犬の感染症とは?

犬回虫は犬の腸内に寄生し、栄養を吸収することで犬の健康にダメージを与えますので、飼い主さんとしてはその症状や注意点について正しく理解しておく必要があります。
ここでは、犬回虫症の症状や治療、予防方法などについて詳しく解説します。
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☆目次☆
1、犬回虫症とは?
2、注意したい犬回虫症の症状
3、犬回虫症の診断と治療方法
4、愛犬を守る犬回虫症の予防法
5、正しい知識と予防法で愛犬を犬回虫症から守ろう!
犬回虫症とは?

犬の回虫症は、犬の小腸に寄生する犬回虫によって引き起こされる感染症です。
正式名称は「トキソカラ症」で、トキソカラ属の回虫である「Toxocara canis」に感染することで発症します。
回虫は黄白色をした細長い紐のような形状で、成虫になると長さ15〜30センチメートルにも達します。
感染の原因としては、感染した犬の糞便中に存在するトキソカラの卵を口から摂取するケースが最も多くなっています。トキソカラの卵が犬の体内に入ると十二指腸で幼虫となり、血液やリンパの流れに乗って肺や肝臓などの臓器に移動します。
その後、のどから食道、胃に移動し小腸で成虫になります。
糞便の中にある卵自体は未熟な状態であるため感染力はありませんが、卵は生命力が強く、そのまま放置された状態でも数週間から数か月間生存しています。
卵から成虫までの期間は3週間程度と短く、成長するとともに感染力が強くなります。また、糞便からの摂取以外にも、トキソカラの宿主であるネズミやゴキブリ、ミミズなどを捕食することや、鶏や牛などの生肉やレバーの摂取で感染することがあります。
また、子犬の場合は、感染している妊娠中の母犬から胎盤を通じて感染したり、感染した母犬の母乳を子犬が飲んで感染するケースもあります。
注意したい犬回虫症の症状

犬回虫症の症状は感染の程度によって異なりますが、下痢、嘔吐、食欲不振、元気消失、体重減少などが一般的です。
また、回虫が肺に移動することで咳や呼吸困難などの症状が出ることもあります。
成犬の場合は無症状のケースや、感染している場合でも症状が軽いことがありますが、子犬の場合は腹部の膨れや発育不良、異物摂取の傾向などの症状がよく見られます。
特に幼い子犬や免疫力の低下した犬には重篤な影響を与えることがあるため注意が必要です。
犬回虫は内蔵以外にも広がることがあり、中枢神経に入り込んでしまった場合はけいれんなどの症状、目に入り込んだ場合は充血やぶどう膜炎、視力障害などの眼症状を引き起こすこともあります。
犬回虫症の診断と治療方法

☆診断方法
愛犬に犬回虫症の疑いがある場合は、動物病院で検査が必要です。獣医師は、普段の状態や異常を確認した時期、他の犬との接触状況や生肉の摂取の有無などを詳しく問診し、診断のための情報を収集します。
診断は便検査が一般的で、犬の糞便を採取し顕微鏡で確認します。ここで犬回虫の卵や成虫が見つかれば犬回虫症と診断されますが、見つからなかった場合は、血液検査で血液中の抗体や抗原を検出したり、レントゲン検査で腸内に寄生虫が存在するかどうかを確認することもあります。
また、犬の吐しゃ物に卵や成虫が混ざっていることがあるため、動物病院に行く直前に嘔吐した場合は、吐しゃ物も持って行くと診断がスムーズになることがあります。
☆治療方法
検査によって犬回虫症と診断された場合は、駆虫薬によって治療を行います。
駆虫薬にはフィラリア症予防対策薬でもある「ミルベマイシン」や、回虫の神経筋伝達に障害を引き起こす「ピペラジン」、転移阻害や微小管重合阻害を目的とした「フェバンテル」などがあり、犬の年齢や体重、感染の程度に応じて適切な薬剤を選びます。
駆虫薬は経口や注射で投与されますが、1回の投薬だけでは駆除しきれない可能性もあるため、通常は複数回に分けて行われます。残っている卵や幼虫によって再発を引き起こさないためにも、定期的に通院し完治を確認する必要があります。
また、下痢や嘔吐などの症状が重い場合は、まず脱水を改善し体調を安定させるため点滴を行うこともあります。
市販の駆虫薬も存在しますが、寄生虫の種類や特定は素人には難しいため、獣医師の専門的な診断を受けるようにしましょう。
愛犬を守る犬回虫症の予防法

愛犬を犬回虫症から守るためには、日常的な予防が大切です。犬の生活環境を常に観察し、排せつを確認したらすぐに清掃することはもちろん、寝床の清掃や犬が触れる場所を清潔に保ちましょう。
成犬が犬回虫症に感染する機会が最も多いのが散歩中です。散歩中は道路や地面に落ちている動物の糞便を舐めたり食べたりしないように気を付けましょう。
また、散歩途中に排せつした愛犬の糞便にも注意が必要です。愛犬が感染していた場合、糞便をそのまま放置しておくと回虫の卵が土壌や草などに付着し、他の犬に感染する可能性があります。
そのため、愛犬が排せつした場合はすぐにビニール袋に入れて密封し、ゴミ袋に捨てるようにしてください。ドッグランなど、他の犬が多く集まる場所では特に注意しましょう。
定期的な駆虫薬の投与も効果的です。症状が見られない場合でも、駆虫薬を投与することで予防効果が高まります。
一般的には月に1回または3か月に1回の投与が推奨されており、特に子犬の場合は感染すると重症化しやすいため、生後8週齢までに必ず2回投与することと、その後も定期的に投与することを忘れないようにしましょう。
正しい知識と予防法で愛犬を犬回虫症から守ろう!

犬回虫症は犬だけではなく人間にも感染する可能性があるため、飼い主さんとして正しい知識と予防のための対策が必要です。
また、駆虫薬の投与や愛犬の健康チェックを定期的に行うことで、万が一感染してしまっても異常を早期に察知できるようになります。
飼い主さん自身も手洗いを徹底し感染リスクを最小限に抑えるなど、愛犬の健康と安全を守るために犬回虫症への注意と予防を心がけましょう。