犬にも眉毛がある?可愛いだけじゃない眉毛の役割とお手入れの仕方

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☆目次☆
1、犬の眉毛はどこ?
2、犬の眉毛が持つ役割
3、犬の眉毛のお手入れ方法
4、犬の眉毛で愛犬の気持ちを読み取ろう!
犬の眉毛はどこ?

犬の眉毛は人間と同じく目の上に生えています。じっくりと犬の顔を見てみると、眉毛のあるべき場所に周りの毛とは異なる太くてハリのある長い毛が4、5本ほど左右対称に生えています。
同じような毛は頬や口の周囲にも生えていますので、よく見ないとわかりにくいかもしれませんが、目の上に生えている直毛の太い毛が犬の眉毛です。
犬の眉毛は「洞毛(どうもう)」という毛の一種で、正式名称は「眼窩上毛(がんかじょうもう)」と言います。別名「触覚毛」とも呼ばれており、洞毛とは体に生えている毛や爪と同じケラチンというタンパク質で作られている毛状の感覚器官です。

黒柴犬や黒のミニチュアダックスフンドのような黒い毛並みに茶色の模様があるブラック・タンと呼ばれる犬種は、眉毛があるかのように眉部分の毛色が変わっていることが多く見られます。
平安時代の公家のように見えるので「まろ眉」と呼ばれて犬愛好家を魅了していますが、これは眉毛ではなく「タン・マーキング」というブラック・タンの犬によく見られる模様です。
犬の眉毛が持つ役割

人間の眉毛は汗や埃の侵入を防いで目を守るために生えたと言われてますが、顔に毛が生えていない人間と違って顔全体に毛が生えている犬にとっては、目を守るためといってもピンとこないでしょう。人間と同じような位置にある犬の眉毛ですが、実は眉毛がある理由は人間とは異なります。
☆感覚器官としての役割
犬の眉毛は感覚器官としての役割を持っています。犬は四本足で歩いたり走ったりするので、人間とは顔の位置や動作が異なります。犬が動くときに一番先頭に存在するのが顔ですので、眉毛やヒゲを使って目の前にある障害物などの危険を察知しています。
狭い場所でもぶつからずに通り抜けられるのは、眉毛やヒゲに通っている神経が幅や障害物を感知しているためです。つまり、犬の眉毛は人間の手や指に近い役割を持っていると考えると良いでしょう。
そのほか、犬の眉毛はヒゲと同じようにバランスを取ったり、視覚に頼れない暗い場所では目の代わりに顔の周囲の危険を察知したりする役割もあり、気温や湿度、気圧の変化や風向きを感じて周囲の変化を察知することもできます。
しかし、犬の眉毛は感覚器官としての役割があると説明したものの、野生の頃と比べて、人と暮らすようになった近年ではそれほど大きな役割は果たしていません。犬は嗅覚や聴覚、視覚が非常に発達しているため、自然と眉毛の感覚に頼らなくなっているからです。
もし、飼い主さんが「眉毛やヒゲを間違って切ってしまった」というときでも、犬は通常と変わりなく生活できると言われています。
また、顔の回りをトリミングしている子達も、全体を整えるためにカットしてしまうことが多いですが、特に通常と変わりなく生活できているのはそのためです。
ちなみに、切ってしまってもきちんとまた生えてきますのでご安心ください。

☆感情を表している
犬は眉毛を使って喜びや悲しみ、怒りなど様々な感情を表しています。眉毛を寄せているときは人間が眉間にしわを寄せるのと同様に怒っているときか悲しんでいるとき、または不快な気持ちになっているときです。
獲物を見つけて気持ちが興奮したときは、獲物の状態をより早く察知できるようにひげが前向きになっています。眉毛の間が開いているときは、リラックスしておだやかな気持ちであるか、もしくは嬉しい気持ちである場合が多いです。
また、眉毛がある位置は顔の筋肉も発達していますので、顔の表情と共に動いているときもあります。例えば、犬が何かおねだりをしているときなど、上目遣いで見上げてくることがあるでしょう。上目遣いをすれば自然に眉毛は離れ、かわいい八の字眉毛になります。
いたずらなどをして怒られたときは伏し目がちになりますので、眉毛の間隔が狭くなった困った感じの八の字眉毛になります。このように、顔の表情や心の動きに合わせて眉毛も変化しているのです。
犬の眉毛のお手入れ方法

犬の眉毛は伸び続けるわけではありませんので、必ずカットする必要はありません。体毛と同様に自然に抜け落ちるため、基本的にお手入れは不要ですが、トリミング時に一緒にお手入れしても特に問題はありません。
ミニチュアシュナウザーのように眉毛の上の毛が長くふさふさに生える犬種もあるので、周囲の毛と合わせてかわいくカットしても良いでしょう。ただし、眉毛は根元に近くなればなるほど多くの神経が通っているため、極端に短く切ったり、無理に抜いたりすることは避けましょう。
自宅でトリミングをする場合は、トリミング用のストレートのはさみを使いましょう。眉毛は体毛より太くハリがあるので、スキばさみを使うとはさみの隙間に眉毛が引っ掛かりやすいです。
引っかかることで眉毛が折れたり抜けたりすることも考えられますので、スキばさみは使わないようにしましょう。
また、視覚障害がある犬については、眉毛のお手入れはおすすめできません。視覚を喪失した犬は、もちろんですが進行性の網膜委縮などでも周囲の物にぶつかりやすくなっています。
視覚障害のある犬は視覚障害のない犬と比較すると眉毛の感覚に多く頼って生活しているケースがほとんどです。カットすることで生活に支障を及ぼす可能性が高く、犬自体の精神的負担も大きくなりますので、眉毛のお手入れはやめておきましょう。
犬の眉毛で愛犬の気持ちを読み取ろう!

犬の眉毛は他の毛に紛れていて見つけにくいですが、全ての犬に生えています。本来の役割である感覚器官としてはあまり機能していませんが、感情を表現する役割としては今でも活用されています。
眉毛の動きで感情や気持ちを表すのは人間も同様ですが、犬の場合は神経が通っているため、さらに細かい心の機微を表現しています。愛犬の眉毛をよく観察して、気持ちの変化を感じ取れるようになりましょう。